こんにちは。放射線科です。
今回はCTとMRIの違いについて、簡単に説明したいと思います。
一般に、見た目は同じようなドーナツ型の機械の中に入っていくと、身体の輪切りの画像が撮れる。と思っていることでしょう。しかし、
1、 放射線を使っているか
2、 撮影の時間がどれくらいかかるのか
3、 撮影中の音はどうなのか
4、 身体のどこからどこまで撮影できるのか
5、 何が写るのか
大まかに5つの点で違いが出てきます。
それではさっそくCTとMRIの話をしていきます。
CT(Computed Tomography):コンピューター断層撮影装置
CTはレントゲン撮影と同様に、X線を用いて身体の輪切り画像を撮影する装置です。
X線を発生させる装置が身体の周りを一周している間に画像を取得します。
開発された当時は、一周で1枚の画像を取得するものでしたが、現代では一周回っている間に320枚もの画像を取得できる装置も出てきています。当院では、シーメンス社製の64列CTを導入しており、心臓血管CTや大腸CT等の検査も行っています。
CTは一回の検査が約5分~10分と比較的短く、全身を一度に撮影することが可能です。また、撮影中の音も静かで、骨の状態や肺やお腹の中を見ることを得意としています。
血管の状態を見るためには、造影剤という薬を使用しなくてはならないことも特徴です。
X線を使用しているので、少量の医療被ばくがあります。
MRI(Magnetic Resonance Imaging):磁気共鳴画像装置
X線は使用せず、強い磁石と電磁波を用いて身体の断面像を撮影する装置です。
原理はとても難しいのですが、人間の身体の6割は水でできています。その水分子に電磁波を当てて共鳴させ、その振動を画像に変換しています。
MRIは一回の検査が約30分程度と長く、CTよりもさらに狭い空間に入りじっと寝ていることになります。また、検査中の音も特徴的で、工事現場にいるような音が常にしています。撮影できる場所も限定的で、頭なら頭。腰なら腰。の撮影しか一度にはできません。
ここまで聞くと、MRIっていいことない!と思われてしまいそうですが、MRIを撮らないとわからないことも多くあります。例えば脳梗塞や関節にどれくらい水が溜まっているか、腰や首のヘルニアや炎症などは、レントゲンやCTでは判断が難しいので、MRIを撮影することで診断がつきやすくなります。血管の状態を知るにも、MRIは造影剤を使用しなくてもわかるのが良い点です。なにより、X線を使わないので、医療被ばくがないことが大きなメリットと言えます。
最後に、MRIを撮影する前に何点か注意が必要です。
MRIは装置自体が大きな磁石になっているので、ペースメーカーや体内金属がある方の撮影をお断りさせていただく場合があります。また、撮影室内に入る前に金属類や貴重品がないかを確認させていただきます。湿布や貼り薬、エレキバンなども低温やけど等の可能性がありますのではずさせていただきます。
長々と書きましたが、簡単にCTとMRIの違いを説明させていただきました。
放射線科では、ていねいかつ正確な診断ができるような画像を撮影できるように努力しています。画像診断・検査の事でわからないことがあれば、お気軽に放射線科スタッフまでお声がけ下さい。