4階病棟より
4階包括ケア病棟では「退院後訪問」をはじめました。
「退院後訪問」とは、自宅に退院される患者様とご家族様、または介助者様を対象に、退院後の生活に必要な看護・介護・医療行為へのサポート(経管栄養・創部処置等)や物資のご提案等を行い、退院後の生活でご不安がないか?ご家族様が過度の負担はないか?等々に対して、アドバイスや必要に応じた介護サービスの拡大や提案をすすめることです。
訪問事例
72歳 男性 脳梗塞
自宅退院にあたり、おむつ交換やその清潔ケアが必要であるため、介護者の奥様に数回サポートし、退院1週間後に訪問させて頂く旨の同意を得ました。
前日奥様に電話で確認すると、尿漏れが頻回で困っているとのことで、使用しているオムツ等を見せて頂く旨をお伝えしました。
翌日訪問したところ、奥様が就寝してから翌朝までの間、尿取りパットの吸水量が少ないことがわかり、夜間は容量の大きい物を使ってみては如何ですか?と提案しました。
奥様は、介護の疲れはあるものの、少しずつですがケアに慣れてきているとのお言葉も聞かれ、ご主人様が退院したことで、別世帯の息子様たちも時折顔を見せてくれるようになりましたと話されました。
また、奥様はお子様たちからの食事の差し入れなどの協力があることを、とても嬉しそうにお話されていました。そんな中、入院中は言葉もほとんどないご主人様でしたが、お話もされているという嬉しいお話も聞くことができました。
そんな退院後の生活を拝見し、慣れ親しんだ我が家で生活することは、患者様、そしてそのご家族様にとても良い効果をもたらすことをあらためて実感しました。
退院後訪問の目的は、単に生活課題と社会資源を結びつけることだけではなく、患者様とそのご家族様自らが決定しながら、それぞれの自律を高め、その人らしい生活が送れるようにお支えしていくことです。
そして退院後サポートの主役は患者様とそのご家族様です。
私たちは、できる限り長く在宅生活が続けられる様、これからも誠実に御支援いたします。