こんにちは 検査科です
皆さん、こんにちは。
臨床工学技士です。
新型コロナウィルスに関するニュースが連日報道され、今や外出の際は靴を履くようにマスクをするのが新たな常識やマナーになりつつあります。
「コロナ禍」という言葉が世界規模で広がり、「条件付きの日常と警戒が交互する日々」の生活が続き、経済にも深刻な影を落としています。
持病のある方や高齢者など特に重篤な事態になる可能性が高いウイルスですが、某有名コメディアンの新型コロナ感染により、わずか6日後の突然の死去。
その時にニュースで報道されていた『エクモ(ECMO)』という人工肺装置を耳にされたと思います。
エクモは重症化した肺炎患者の最終的な切り札として使われています。
※イラストはECMO
『人工呼吸器』と『エクモ』の違いについて解説したいと思います。
『人工呼吸器』・・・肺の機能を補助する為の装置
肺に酸素を押し込み、更に肺から血管の中に入れていくもので初期の患者に使われます。
『エクモ(体外式膜型人工肺)』・・・肺の機能を代替する為の装置
太ももの付け根の血管にカテーテルと呼ばれる長い管を入れ、そこから血液を取り出し、エクモの『人工肺』に血液を送り、二酸化炭素を除去します。
その後、血液を首の付け根の血管へ戻す事で体の中の臓器に酸素が届けられます。
従って、エクモで血液が循環し続けてる間、肺の活動が止まって呼吸していなくても生命維持が出来る為、肺の機能を使う事が難しい重篤な患者さんに使われます。
エクモの使用期間は平均で2週間程度、長くても4週間ぐらいになります。
『呼吸管理』は急性期医療から慢性期医療、在宅医療まで全ての医療の場面で低出生体重児から高齢者までの全ての年齢層の患者に対して行われています。
その為、呼吸管理に関わるメディカルスタッフは多種多様であり、チーム医療が不可欠となっています。
『人工呼吸器』は生命維持管理装置である事から、人工呼吸器及びその関連機器の操作及び管理は臨床工学技士の基本的業務といえます。
『臨床工学技士基本業務指針2010』において従来の生命維持管理の操作にとどまらず、患者さんの病態評価を含めた『管理』が業務として位置づけられました。
『管理』という事は運転条件が患者さんの病態に合わなくなった場合、変更・調整する判断力が求められ、臨機応変な対応が必要になる事もあります。
患者さんの治療の為、適切なタイミングと手技でこれらの医療行為を実施し、記録を行わなければなりません。
※写真左が非挿管型の人工呼吸器、
右が挿管型人工呼吸器。
※当院には『エクモ(ECMO)』は設置しておりません
当院での人工呼吸器は気管内チューブを使う『挿管型』とチューブを必要としない『非挿管型』があり、いつでも使用可能な状態で管理され、
患者さんの呼吸状態や症状に合わせて選択され使用されています。