縁の下の力持ち
はじめまして。武蔵野総合病院の事務長です。
私は十代の頃から吹奏楽やオーケストラでチューバという金管楽器を吹いてきました。
チューバという楽器はトランペットと同じ金管楽器で、重さは約10キロ。管の長さは10メートルほどになる巨大な楽器で、見た目のとおり「低い音を出す」楽器です。
低音というのはハーモニーの中で土台を支える根っこになる音(根音)を出す縁の下の力持ちでもあります。
またチューバは倍音という音の成分をたくさん出して、個性あるバイオリンやオーボエやチェロ、トランペットの出す音を融和し、聞きやすい響きにする潤滑油のような役割を果たしています。
さて私ども病院事務という仕事はチューバという楽器にとてもよく似ています。
病院を舞台に例えれば、患者さんという主役の元に医師やナースや検査、リハビリなどの名優たちが医療というドラマを演じています。
しかし俳優ばかりでは舞台はできません。大道具や衣装係や照明係、音響などたくさんの影の人が舞台を支えているのと同じように私ども病院事務員は病院という舞台を陰で支えています。
同じように名優たちの食事や白衣。通勤のお世話から、診療行為を診療報酬点数に置き換えて病院の経営を考え、患者さんのために効率のよい適切な医療・看護を提供する縁の下の力持ちが病院事務だと思っています。
もちろん病院は医師をはじめとした国家資格の世界で、私ども無資格の事務員は最下層であり、患者さんの苦しみも悲しみも直接取り除くことも支えることもできません。
しかし患者さんに安心と安全を提供する病院スタッフの一人として「縁の下の力持ち」としての立場にプライドを持ちながら、間接的ですが患者さんのためにという気持ちで日々努力しているのが病院事務員です。
気がつけば、私は趣味のチューバも、仕事も、ミスター縁の下の力持ちになっていました。
まだ着任して半年ほどですが、この武蔵野総合病院が地域の皆さんが安心して暮らせるインフラでありつづけるべく、事務スタッフ全員と歯を食いしばって「ザ・縁の下の力持ち」でありつづけて参ります。
ちなみに病院事務には皆さんに目に触れる「医療事務」と、さらにバックヤードの事務管理部門として「総務、経理、施設設備」があります。ぜひお見知りおき下さい。