謹んで新春をお祝い申し上げます。
謹んで新春をお祝い申し上げます。武蔵野総合病院の事務長です。
昨年は小惑星探査機「はやぶさ2」の大成功、ラグビーワールドカップで日本代表選手の目覚ましい活躍。また何といっても新天皇陛下が御即位され、新たな元号「令和」が制定されるなど明るい話題と、ここ川越を含め関東を中心とした台風による災害。池袋暴走事故に端を発した、高齢者の自動車運転の問題などがクローズアップされた年でもありました。
さて令和二年の本年は、待ちに待った東京オリンピックの開催、名称問題で揺れた「高輪ゲートウェイ駅」の開業など、激動の一年が予見され、私ども医療機関にとっても「診療報酬改定」というビッグイベントが控えています。
昨今の厚生・医療行政は、医療法を含めた法改正に先んじる形で政策誘導がなされていき、多くの医療機関が、高齢者社会の医療・介護に向けた「地域包括ケアシステム」により一層真摯に取り組まなければならなくなっています。
当院はすでに、このシステムの中核をなす「地域包括ケア病棟」を60床に増床し、市内最大の病棟を有すことになりました。また昨年中盤より通院が困難な患者さんのための「訪問診療」を開始し、本年1月より療養病棟(2月から32床に拡張)を導入し、これまでの総合病院ではできない柔軟でキメの細かい医療サービスの提供が可能となりました。特にこの地域では療養病棟が少なく、お困りになっていた地域の方々にとっても福音であると考えています。
さて当院は武蔵野総合病院という名称ですが、「総合病院制度」は平成8年の法律改定で廃止になっています。つまり国は「何でも診る」という総花的な総合病院の「神話」を過去の遺産にしているのです。そこで令和の時代に国が求める医療は、各医療機関が、それぞれの役割・機能を分担し「連携」していくことを求める制度に変化しています。
当院も、時代に合わせて即応していくために、診療科の見直しを行い、少ない医療資源(※)を効率的に集中させるとともに、他の医療機関や在宅医療、介護施設と連携し「住み慣れた地域で安心して暮らしつづける」ことができる、地域の包括的な医療を担い、引き続き地域の皆様に愛される病院として取り組んでいく所存です。
本年もどうぞよろしくお願い致します。
※埼玉県の医師偏在指数が全国47都道府県中43位です。