検査室より
緊急事態宣言の後、解除するも新しい生活様式を取り入れ経済活動を開始…今までの生活には なかなか戻れません
それでも季節は確実に移ろいで行きます
新型コロナウイルスについて検査法の違いを簡単に紹介します
*PCR検査とは
ポリメラーゼ連鎖反応(polymerase Chain Reaction)の略
ウイルスの遺伝子を増幅して検出する方法です
専用装置を用い 遺伝子のDNAを増やす ⇒
蛍光プローブと言う試薬を取り込ませる⇒
遺伝子が増えれば強く蛍光する⇒ 光の強さで遺伝子を測定する
新型コロナウイルスが多量に存在する場合迅速判定が可能です
*簡易診断キット(イムノクロマト法)
膜上を患者検体がゆっくり流れる性質を応用した測定法
膜に抗原と標識抗体(抗原に特異的な抗体)が免疫複合体(抗原と抗体が結合)を形成して膜上を移動⇒キャプチャー抗体(免疫複合体を捕捉する)に捕捉され発色⇒
反応カセット内で 抗原・モノクロナル抗体 複合体を発色させ検出
検査種類 | 抗原検査 | PCR検査 |
調べるもの | ウイルスを特徴付ける蛋白室(抗原) | ウイルスを特徴付ける遺伝子配列 |
精度 | 一定以上のウイルス量が必要 | 抗原検査より少ない量のウイルスを検出できる |
検査実施場所 | 検体採取場所で実施 | 検体を検査機関に搬送して実施 |
判定時間 | 約30分 | 数時間+検査機関への搬送時間 |
*抗体検査について
現在、日本国内で医療品・医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保に関する法律(薬機法)上の体外診断用医薬品として承認された抗体検査はありません。
WHOは抗体検査について、診断を目的として単独で用いることは推奨していません。
世界的にみて一定基準を課した国において、すでに使用を認められている一定評価がなされた抗体検査機器は疫学調査などで活用しています。
ちなみに当院ではPCR、抗原、抗体検査は行っておりません。